オーダー木製小物製作例 100年前の古材で額縁製作
100年前のピクルスの樽に使われていたピーラーを材料にして
注文をいただき製作した額縁の事例です。
写真の木は、米松とホワイトアッシュ。
米松は、普通建築材として利用されることが多いのですが、
この目の細かいものは特に『ピーラー』と呼ばれ、特別扱いされています。
左のものが、そのピーラーです。
年輪があるほど、成長が遅く、
それだけゆっくり育った木だから密度が濃く、
木としても丈夫で狂いも少ないと言えます。
このピーラー、今は市場にほとんど出回っていません。
これは、古材でお客様の持ち込みです。
100年前の木で、ピクルスの樽に使われていたものです。
この木で製作の注文をいただきました。
これが指示書、
中に向かって下がるように!
表面を削らずに裏目を削ってください!
とあります。
指示通り、木取りした材料。
斜めにカットされているのがわかりますか?
さて、ここで問題!
角材をどう削ったら表目を削らず、
斜めに木取りできるでしょう?
市場には出回らない貴重な材料を使った製作、
失敗は許されません。
考えてみてください。
答えはこちら
↓
カットした木を添えるとこうなります。
四隅をきちんと合わせるのが結構難しい!
何度か調整して合わせます。
和ぼうきの材料を束ねたもので、こすります。
夏目は柔らかいので凹み、冬目が浮き立ちます。
その凹凸により、木目が立体的に美しくなります。
これを、『うづくり』といいます。
指定の柿渋の生地を額縁内側の枠にはります。
額縁の外枠にガラスをはめ込み,
固定して、しっかり固めます。
水はりテープで額縁裏側をはります。
だいたいできたところ、ここで依頼主にチェックいただき、
額縁の側面を汚すことに。